2014年09月07日

『春の庭』柴崎 友香

By 柴崎 友香
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商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #2527 / 本
  • 発売日: 2014-07-28
  • 版型: 単行本
  • 141 ページ
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内容紹介

第151回芥川賞受賞作。
行定勲監督によって映画化された『きょうのできごと』をはじめ、なにげない日常生活の中に、同時代の気分をあざやかに切り取ってきた、実力派・柴崎友香がさらにその手法を深化させた最新作。
離婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる……
「街、路地、そして人々の暮らしが匂いをもって立体的に浮かび上がってくる」(宮本輝氏)など、選考委員の絶賛を浴びたみずみずしい感覚をお楽しみください。

カスタマーレビュー

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 戦いの果てにたどりついた庭

柴崎友香は、デビュー以来頑固なまでに一貫した独特の小説世界を書いて来た作家。
この小説は彼女の集大成ともいうべき、さまざまな「柴崎的モチーフ」がてんこ盛りになった小説で、
芥川賞受賞も当然(というか遅すぎたぐらい?)でしょう。

その小説世界は、日常の細部(虫とか)と全体の枠(俯瞰で見た世田谷の一画とか)を等価に描く、
写真でいうとすべてのものにフォーカスが合ったような、まったく独特なものです。
彼女はこの手法をデビュー作以来基本的に変えず、一作ごとに試し、深めてきました。
古いタイプの小説が好きな人の目にそれは「意味が判らない」「小説もどき」と映るかもしれません。

しかし小説はいつの時代にも同じものであるわけではありません。
これまで小説が描いて来なかった領域に一ミリでも侵出しようと考えるのが新しい作家の性です。
その戦いは旧世代からは異様に映り、ときに怒りを買うこともあるでしょう。
その意味で「春の庭」を「判らない」という人は、いて当然です。
また、そういう読者にとっては「こんなのが芥川賞?」とも映るでしょうが、
今回に関しては柴崎友香のその戦いが正当に評価されたと、私は思っています。

柴崎友香が小説で試みていることは、写真や絵画でやればいいじゃないか、という批判もありえます。
しかしデビュー作以来一貫して彼女は、写真や映像を小説のライバルと定めて、
小説にしか出来ないことを模索して来たのです。その試みはこの作品で成功していると思います。
繰り返し読むに足る文章と内容で、読み返すたびに発見があるように作られている、これは決定的に「新しい」小説です。



posted by 受賞本紳士 at 18:17 | TrackBack(0) | 柴崎 友香(しばさき ともか) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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