2013年07月16日

『ジヴェルニーの食卓』 原田 マハ(第149回直木賞 候補作品)

By 原田 マハ
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全2枚

商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #2663 / 本
  • 発売日: 2013-03-26
  • 版型: 単行本
  • 240 ページ
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内容紹介

「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代を切り拓いた四人の美の巨匠たちが、今、鮮やかに蘇る。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。

内容(「BOOK」データベースより)

マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ。新しい美を求め、時代を切り拓いた巨匠たちの人生が色鮮やかに蘇る。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、“読む美術館”。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原田 マハ
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室にそれぞれ勤める。森ビル在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後独立し、フリーのキュレーター、カルチャーライターへ転身。2005年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。2012年、画家アンリ・ルソーの代表作「夢」を巡るアートミステリー『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

最も参考になったカスタマーレビュー

11 人中、 10 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 電子書籍版、絵画の画像収録が◎!

小説自体は紙で読んでいたものの、電子版は登場する作品の画像が収録されているのがよかったです^

以下、少しネタバレになりますが…。
あまり物語を読む上で支障がない範囲で…。

どの作品も、少し切ない結末を迎えます。
でも、その後に、収録されている絵画を観ると、とても救われたような気持ちになります。
何かを犠牲にしてまで、画家や造り上げたその作品は、後世に残り、人の心を確かに打つものとして存在し続けているのだ。
こうして、その想いは伝わっているんだ、という事実を感じる事が出来るというか…。

マティスやセザンヌ、ドガにモネ…登場する画家たちがこの絵画を描いたとき、どんな気持ちだったのか…に
焦点をあてている物語なのですが、キュレーターをやられていた原田さんならではの、
緻密な知識に基づいてえがかれているのが特徴です。

また、その作品が造り上げられた背景を描くツールとして小説を
選んでいることにより、その画家達の息づかいまでもが感じられるような作品に仕上がっています。
取り上げられているのが、どれも、その画家の渾身の作品なだけあって、読後なんともいえない切なさがこみあげてきます。

物語を読み終えたあと、各章末に収録されている絵画を観ると、
今まで何気なく観ていた絵画を、また違った新鮮な気持ちで鑑賞する事ができます。

美術が好きというものの、一般的な程度なので、ドガが彫刻作品を発表していただなんて、もちろん知りませんでした…が、
渾身の想いで作り上げたその作品の画像からは、並々ならぬドガの執着が感じられ、恐ろしくさえありました。
ドガを変質的なロリータコンプレックスとして描いた作品や文章をどこかでみた事があるからかもしれませんが、
ドガがどんな想いで「エトワール」を描き(作り)続けたのかという、原田さんの解釈と描写に至っては、
今までのイメージがあったからかもしれませんが、読み終えた後、しばらくぼーっとしてしまうほど。
深く知りもせずに、少し偏見に満ちた目で、ドガの作品を観ていた事を、恥ずかしく思いました。

また、タンギー爺さんの深く温かな、若い画家達への愛情に反しての、愛されていた画家達の様子に至っては、軽く怒りすら…。
最後の最後まで、若き画家達の成功を祈って、信じ、支え続けたタンギー爺さんの報われなさと、
またそれを陰で支え続けた家族の様子は、
後世、セザンヌの林檎の絵が確かに残っているんだ、という事実がなければ、
本当になんというか…ただの落ち込む話なのですが…(苦笑)。

章末のセザンヌの林檎の絵画を観ながら、この林檎が世界を変える日を夢見ていたタンギー爺さんを思うと、
少しだけ救われる気持ちとなるのです。
そして、ついでにというか、ゴッホが描いたタンギー爺さんを観ると、
本当に優しい目で画家を見ていて。
ああ、本当にこんな人だったんだろうな、そしてそういう風に、あの(気難しい)ゴッホまでもが(!)
描いたのだから、「気持ちが伝わっていない」なんて感じていた私が間違っていたのかもな。
確かにタンギー爺さんに、若き画家達は、感謝をしていたんだ、と、勝手にではありますが、
感じる事ができ、救われたような気持ちにもなるのでした。

個人的には、物語を読み終えてからの絵画鑑賞、そしてできれば、電子書籍版を購入する際には、
カラーが見られる端末でのお求めをお勧めします。



posted by 受賞本紳士 at 01:53 | 原田 マハ(はらだ まは) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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